小学6年生から中学受験をするための勉強方法

Z会の通信講座は中学受験コースもあります。自宅でできる中学受験対策。

小学6年生からでも中学受験はできる?

小学6年生になってから、「中学受験がしたい」となる場合もあるかもしれません。6年生から中学受験を試みることは無謀なのでしょうか?

結論を言うと、6年生から受験勉強を始めても、合格できる私立中学はあります。

ですから、遅すぎるということはありません。

ただ、時間があまり残されていないことは事実です。

4月から受験勉強を始めて1月に入試を受けるとすると、受験勉強に使える時間はたったの9か月です。

「何から始めればいいのか分からない」と思っているうちに、どんどん時間が過ぎていきます。

一日でも早く受験勉強に取り掛かり、合格を目指したいところです。

6年生から受験するときの志望校の選び方

ただ、6年生から受験勉強を始めて、有名中学、難関中学を目指すことは難しいでしょう。

4年生くらいから、受験用の塾に通い必死で勉強をしてきた子や、もっと幼い時から勉強に力を入れてきた人たちの方が、受験準備に充てた時間が長い分、有利であることを否定する人はいないと思います。

塾に行ってはいるものの、全く内容についていけず、点数が取れない人がいるのも事実です。が、受験のプロの先生から、受験用の教材を何年も習って、それらをある程度自分のものにしている人達の方が有利なのは間違いありません。

6年生から受験勉強を始めて、合格を目指す場合には「志望校選び」が重要になってきます。

通学できる範囲にどんな私立中学があるのかを調べる

6年生から受験をする場合、親御さん自身が中学受験について何も分からない、という事もあるかもしれません。というより、中学受験の厳しさを知っていれば、もっと早くから受験勉強を始めていると思うので、6年生から受験をする方のほとんどは、受験について親御さん自身が勉強をする必要があるでしょう。

最初にすべきことは、「通学範囲内にどんな私立中学があるかを調べること」です。

当たり前のことですが、「有名だから、みんなが良いと言っているから」という理由で、いきなりブランド中学を志望校にするのはやめましょう。合格できる見込みがほとんどないと思いますので、受験するのは自由ですが、現実的に合格できそうな滑り止めの中学を必ず受験することが必要です。

その「滑り止め校」が、実質の「志望校」になると思います。

中学受験の落とし穴「そんなに勉強していない」は本当か?

中学受験を経験した親戚や知人から「そんなに勉強してない」と言われた言葉を真に受けて、中学受験は簡単にできると思いこんでいる人がたまにいます。

それは全くの嘘ではないのかもしれません。

1.子供さんが普通以上に頭が良くて、受験用の塾に行かせていたら勝手に勉強を頑張り、受かってしまう(親御さんは苦労していない)

2.本当は猛勉強をさせたが、恥ずかしいので「そんなに勉強していない」と言っている

3.そこそこ頭の良い子が、ものすごく難易度の低い中学を受験したので、そんなに勉強しなくても合格できた

4.その家庭にとっては、生活のほぼすべての時間を勉強に充てたとしても、それが普通だと思っているので、「勉強した」とは思っていない

このような理由で、「うちはそんなに勉強していない」という言葉が各方面で聞かれているとは思いますが、話し手がどんな人物で、子供さんがどのくらいの中学に合格したのか、という事をよく考えて、言葉の裏にあるものを読み取っていくことも重要です。

「そんなに勉強してないけど合格した」という、よそのお子さんの話はあまり気にせず、「うちの子」が合格するための作戦をしっかり立てていくことが重要です。

滑り止め校の重要性

私は、一旦私立中学を受験することにした方々には、絶対に「滑り止め校」を受験することをお勧めします。

なぜかというと、「私立中学にいく」と周りに宣言すると、不合格となったときに子供さんが学校で恥ずかしい思いをするからです。

子供たちにとって「あれ、私立に行くっていってたのに、公立に来たの?」と周りの子たちに思われるのは大変恥ずかしく、つらいことです。「受験に落ちた」と、知られるからです。

私立中学を受けることを隠しておけばいい、と思われるかもしれませんが、隠すのが難しいのです。

受験生は、各中学が開催する学習会や模擬テストのようなものに参加するので、受験することを隠していても、そこで友達に会ってしまうのです。誰かに一旦受験の事を知られると、他の人にも知られてしまうかもしれません。

不合格になっても、堂々と公立中学に行ける性格のお子さんなら必要ないですが、周りの目が気になるタイプの場合は、絶対に合格できる「滑り止めの中学」を必ず受験しましょう。

志望校の選び方(重要)

受験をするうえで、志望校選びは重要です。確実に合格したいなら、「確実に合格できる中学」を志望校に選べば良いのです。

そんなのは当たり前だと思われるかもしれませんが、到底受かりそうもない学校を志望校にしている人はとても多いのです。

極端な話ですが、絶対に合格したいなら、絶対に合格できる学校を受験する、これは、受験の鉄則です。

どんな勉強をするか、どんな塾に行くか、という以前に、志望校の選び方が大事なのです。

今まで、学校の計算ドリルと漢字ドリルしかしていない人が、6年生から受験を志す場合には絶対に覚えておいてほしいことです。

各中学の難易度を調べる(重要)

確実に合格できる中学を探すにはどうすれば良いのでしょうか?

インターネットで通学圏内にある私立中学の偏差値を調べることはできますが、それだけでは十分とは言えません。

同じ偏差値でも、学校によって入試問題の特徴が違うので、自分にとって点数を取りやすい入試を出してくれる学校を選ぶことが重要です。

受験する可能性のある学校をいくつか絞り込めたら、必ず、早めに入試過去問を手に入れてください。

過去問、というのは、その中学が過去に実際に出題した入試問題の事です。

書店で販売されているものや、説明会などで中学から配布されるものなどがあります。(書店で手に入らないものは、中学が開催する受験説明会などでもらう必要があります。)

入試問題を手に入れたら、子供さんに実際に解かせてみましょう。

そして、親御さんも、できれば解いてみてください。

問題の解き方以前に、問題の意味がわからない、国語の文章量が多すぎてとてもできそうもない、見たことも聞いたこともないようなことが問題文に書いてある…という学校は、入試問題が難しい=受験者のレベルも高い、という事かもしれません。

6年生から受験を始めるなら、入試説明会で「うちの学校は、普通の小学校の授業レベルの入試問題を出します」と言ってくれるような学校を選びましょう。

と言っても、「うちはあまり勉強してない」という人たちが本当はものすごく勉強している場合があるように、自称「普通の小学レベル」の私立中学入試でも、それなりに受験対応の問題集を使って学習しなければならない場合もあります。

学校側の説明も、すべてを真に受けるのではなく、自分の目で入試問題を確認して、どのくらいの受験勉強をする必要があるのかを冷静に見極めましょう。

書店で過去問が販売されていない中学は、簡単な入試問題であることが多いです。

受験教科を決める

中学受験は、国、算、理、社の4教科ですが、中には国語と算数のみの、2教科受験が可能な学校もあります。

6年生の4月から、9か月間の受験勉強で入試を受けるのであれば、2教科受験を選択する方が良いかもしれません。(過去問を解いて点数が取れそうなら4教科でも構いません)

受験用の塾には行った方がいいの?

お住まいの地域にどのような塾があるかにもよりますが、今まで受験用の塾に行ったことがない状態で、仮に6年生から受験用の塾に入ったとしても、授業についていくことはかなり難しいでしょう。

数年かけて受験対策をしている人達からすると、6年生は新しいことをたくさん学習するというより、これまでの復習をしたり、入試問題やそれと同等の問題を数多くこなして、演習をし、最後の仕上げに入ろうかという頃です。「和差算って何、つるかめ算って何、のべ算って何」とか「面積図って何」という状態で、受験用の塾に行ってもあまり理解できないかもしれません。

塾の先生とよく話し合って、入塾するかどうかを決定しましょう。

受験生の時間は有限、塾についていけない場合は…

せっかく塾に入っても、何も理解できず、ついていけない、となるのなら、塾にいる時間がもったいないので、受験対応の家庭教師や個別指導塾に切り換えたほうが良い場合もあります。6年生からの受験対策、となると、残された時間が数か月しかありません。時間に余裕がないので、自分に合っていない、効果が出ていない、と感じるようなら素早く別のサービスを探しましょう。

中学受験対策もできる、Z会の通信講座

個別指導塾や家庭教師で自分と志望校に合わせた指導を

  • 学年にとらわれず今の自分にとって必要なところを学習したい人
  • 基礎から徹底的にやり直しをしたい人
  • 塾についていけない人

は、個別指導塾や家庭教師が良いでしょう

その際には、「中学受験をすること」「志望校はどこか」という事を明確に伝え、志望校に合った対策をしてもらうようにしましょう。

また、中学受験に対応できる先生を選び、中学受験用の教材を使った指導を受ける方が良いでしょう。(あまりに基礎ができていない場合は、学校の教科書レベルからのやり直しを勧められることもある)

漫然と問題集を解くのではなく、「〇〇中学の入試問題を解けるようにするには、この受験用の教材のこの辺りをマスターする必要がある」等、具体的な戦略を立てて指導してもらうようにしましょう。

小6からの中学受験、問題集の選び方

中学受験用の塾に行くと、大抵、分厚い問題集を何冊も渡されます。公立の小学校の薄い教科書やドリルとは全くの別世界です。

これまで受験対応の塾には行っていないけど、6年生から中学受験を目指したい、という場合、それらの大量の問題集を全てマスターすることはほとんどの人には不可能でしょう。

志望校の入試に、毎年どのような問題が出題されているかを見て、どの程度の問題集が必要で、どのあたりを学習すべきかを親御さんが判断できる場合は良いのですが、ほとんどの方は見ても分からないと思います。

その場合、塾の先生や家庭教師に教材を選んでもらう方が良いでしょう。

あまり素人判断で、「この問題集をやってください」とは言わないほうが良いと思います。

塾や家庭教師から指定された教材以外に、自分で学習をするための教材は自由に選んでも良いと思いますが、メインの教材は先生に相談して決めましょう。

まとめ、無理のない受験計画を

6年生からの中学受験は、残された時間がわずかしかないため、あまり多くの事は望めない場合が多いと思います。

真剣に中学受験に取り組んでいる人たちの中には、膨大な時間や費用をかけて受験の準備をしている人もいる、というのが実情で、その中での競争も厳しいものです。そういった方々と対等に戦うのは今からではちょっと厳しい、という人が多いと思いますので、実情にあった、現実的な志望校を選び、達成可能な学習計画を立て、確実にどこかに合格できるように作戦を立てていくのが良いでしょう。

完全に自力で受験、というのも、なかなか厳しいと思いますので、受験対応の塾、個別指導塾、家庭教師などのサービスを活用し、アドバイスを受けたり、情報を集めていくのが良いと思います。

この記事を読まれた方々が、無事に受験を乗り切り、合格通知を手に入れられることを願っています。