中学受験を考えておられる方々は、インターネットで情報を調べるだけでなく、直接学校の説明会に参加して情報を集めておられると思います。
それ自体は良いことだと思うのですが、時には残念な事も起きています。
本来「説明会」というのは、受験する方々に有益なことをお知らせする場であるべきですが、中には真実とは言えないことをいう学校もあります。聞いたことを何でも信じるのではなく、「本当だろうか?」と確かめたり、自分の頭で考えることも重要です。
「公立小学校の教科書レベルの入試です」とあからさまな嘘を言う説明会
ある私立中学の説明会で、「うちの入試問題は、公立小学校の教科書レベルの問題です」と言われたそうです。その学校の入試問題は、書店で5年分が一冊にまとめられたものを購入できるのですが、「公立レベルの入試問題」というのは全くの嘘です。
毎年、公立の小学校では決して習わない問題、中学受験用の塾に行っていなければ絶対に解けない問題が主に出題されています。
もし保護者の方がその言葉を信じてしまって、「うちの子は学校のテストは良い点が取れているから大丈夫」と思って、何も準備せずに受験したら、ほぼ確実に不合格になるでしょう。
なぜそんなあからさまな嘘をついたのか理由はわかりませんが、おそらく一人でも多くの人に受験してもらいたかったのだと思います。
このようなあからさまな嘘を説明会で言う学校もあるのです。
嘘をつく学校側が悪いのはもちろんですが、受験する側としても、学校の言うことをすべて信じるのではなく、自分で調べたり、確かめたりすることが必要です。
お子さんを受験用の塾に通わせていれば、ある程度の情報は入ってくると思いますが、ご自身でも入試過去問に早いうちから目を通したり、その他の情報をしっかり調べて入試に臨まれるのが良いと思います。
「いじめはありません」は本当か?
私立の学校というと「良い環境で学べる」というイメージを持たれる方も多いと思います。
その中には「いじめがない」「いじめが起きたら先生や学校がすぐに対応してくれる」というものも含まれるかもしれません。
ですが、人間が大勢集まって、いじめが全くない、という環境を果たして作れるのでしょうか。
いじめと一口にいっても、色々な形のいじめがあります。
先生に分からないように、巧妙にいじめる、ということもあるかもしれません。
いじめでなくても、人が大勢集まれば、何かしら人間関係の問題は起きるものです。大人の世界でも、人間関係は悩みの種になりがちです。それなのに、子供の世界だけ、「いじめがない」「人間関係の悩みがない」という理想の世界になるはずがありません。
そして、残念な事ですが、いじめにあった被害者が耐えられなくなって私立中学をやめてしまえば、「いじめはなくなった」ことになります。
「いじめはありません」という言葉の奥に何があるかを考えることも大切です。私立中学だけが特別な世界であるはずがないのです。
まとめ
- 入試説明会だからといって、すべてを信じるのではなく、情報を集めて自分で確かめたり、冷静に考えることが必要
- 人間が大勢集まって、何も問題が起きないはずがない、ということを忘れないようにする。「いじめはありません」という言葉の真意を考える